聴く/訊くということ。 SWITCH達人達 佐藤健×木皿泉 その2
2014.11.20 Thursday
―あるんですか?自分の仕事で表現したいこと。
佐藤健の相槌の打ち方が、とても好きだ。
もっと言うなら、彼の「なるほど。」が好きだ。
日本人の対談、というものに私はあまり興味を持ったことがない。(※1)
それは一般誌ならいざ知らず、専門誌を読んでいても(というかだからこそ、なのかもしれないのだが)、「対談」と名のつくもので実りの多い読み物にはあまり出会ったことがないからだ。
外国人の対談がおもしろいかというと、もちろんそうであることもあるし、そうでないこともあるのだが、ただ、「視点」というものを意図的に差し込もうとするその姿勢は共通してあるように思う。
その「視点」がおもしろいか、おもしろくないか、ということだ。
日本人の場合、視点うんぬんの前にたいていが、「あいさつ」で終わる。
その「あいさつ」自体がおもしろいということは、もちろんあるし、例外だってたくさんあるだろう。
でもそれは反面、いかに聴く/訊くということが難しい所業なのかということの証左でもある。
対談という場は「話し手」にならなければならないことはもちろん、「聴き手」にも、そして「訊き手」にもならなければならない。
たぶん、佐藤健は普段「質問される側」に立つことの方が圧倒的に多いのだと思う。
けれど、この人が「聴く/訊く」側に立ったとき、こんなにもおもしろいものがみられるのかということに、本当にびっくりした。
きっと木皿さんも、びっくりしたんじゃないかなあ?
知らないうちに、自分の懐刀をごろりとさらけだしてしまっていた、そんな感覚だったのではないかと、勝手に想像する。
聴くことということは、受容的であることはもちろん、率直であり、かつ、そしてこれが私は重要なことだと思うのだが、創造的であることが求められる、とてもアクティブな作業なのだと思う。
木皿 自分で撮ったり書いたりってことはしないんですか。
佐藤 できたらやりますけど、できない。
与えられた誰かが書いた台本を見てよりよくすることはできる…。
何もない真っ白な状態で、はい、やってって言われたらほんとにできない。
誰かが0を1にさえしてくれれば…。
木皿 プロデューザーじゃん。
佐藤 2にして3にしてっていうのは。
たけさん自身が言っているように、それこそ1を2や3にしていく。
それが「聴く/訊く」ということなのではないか。
だとしたら、彼はとてもすばらしい聴き/訊き手なのだと、思わざるをえない。
どうだろう。
どこぞの出版者様。
彼がインタビュアーになる本を、もしくは対談本を、一冊企画してみませんか。
これ、相当おもしろいことになると思うんだけど。
(※1)も少し正確に言うと、対談している当事者が興味の対象(よするにその方のファンということですね)ということは本当によくあります。というか対談を読む動機ってそれ以外ない気がしてきた。(←)(2014.11.21追記)
相槌の打ち方と、なるほどの口癖。。
いつも感じていたことなので、ビックリです。
相槌もゆっくりとした動作で、相手に共感を示し、決して否定したりしない所は、今の日本人に足りてないところかもしれませんよね。
なるほど。の言い方も、その時々で 微妙に違いがあったりして、何より柔らかい。
何かのインタビューで
「自己アピールしない」事が美学だと言うのをよんで、のけぞりました。
平成元年生まれがそれを言うか‥と。(笑)
| みかん | 2014/11/21 4:42 PM |
>みかんさん
こんばんはー!
コメントありがとうございます。^^
みかんさんも、たけるさんの相槌となるほどに注目されていたのですね。
私がたけるさんと最初に出逢った「ボクらの時代」でもそうだったんですけれど、今回はもう本当に彼の話の聴き方というものに感じ入ってしまって。
>相槌もゆっくりとした動作で、相手に共感を示し、決して否定したりしない
本当にそうですよね。
すごく感心してしまいました。
彼を前にすると、たぶんきかれている方は、この目の前の人がききたいのは「これ」だろうなとわかるのだと思うのですよ。
それが顕在化するというか。
で、その顕在化したものが、自分のとっても深いところにある何かであったときに、普通は口にすることをひるんだり躊躇してしまったりするんでしょうけれど、それがスルスルと出てきてしまうというか。
きっとそういう感覚なんだろうなと、あくまでも想像ですけれど、思いました。
でもこれって受けて立つ方の感受性の問題だったりもするから、それは木皿さんとたけるさんが同じところに立つことのできる人間同志だったっていうことでもあるのでしょうね。
>「自己アピールしない」事が美学
あーあー、これはもう。
こういうところが好きなんだよなあとしみじみ思います。。。(笑)
| かけい | 2014/11/21 5:59 PM |
二人の会話を聞いていて、深いっ!と感じ入ってしまったのはそこかもしれませんね。
自分でもモヤモヤしたまま、気付かずにいたことが、誰かとの会話で あっさりと解決してしまうこと稀にありますよね。
何気ない一言で核心に触れられ、氷が溶けるが如く心が軽くなること。
あの対談は、後一時間ぐらい聞いてみたかったです。
どこまで話が広がるのか、かなり興味ありです。。
| みかん | 2014/11/22 8:26 AM |
>みかんさん
こんにちは!
レス、ありがとうございます。うれしいです。
>何気ない一言で核心に触れられ、氷が溶けるが如く心が軽くなること。
ええ、本当にこういう瞬間ってありますよね。
そういう人がいてくれる安心感って何者にも代えがたいものがあります。
いつぞや、城田くんが、たけるさんと話すときはたいてい自分の方が弱音を吐いてしまうというようなことをおっしゃっていましたが、むべなるかなといったところです。
あ、あったあった。これだ。(参照リンク)
http://ameblo.jp/yu-shirota-we/entry-11797001192.html
木皿さんはおふたりとも物を書く人なので、しかも書くことは考えることとおっしゃっているくらいなので(←わたくし、木皿さんのこの言葉にふるえました)、十二分にご自身のことは顕在化されているのだと思うのですが、両者(木皿さんおふたりとたけさん)が同じ地平で言葉をやりとりするリズムがとても気持ちよくて。
私も、一時間でも二時間でも、聞いていたかったです。
| かけい | 2014/11/22 1:09 PM |
うわっ、
こんな所にも、たけるんぽるんの情報が~(笑)
こちらこそ
ありがとうございます(o≧▽゜)o
| みかん | 2014/11/22 4:53 PM |
>みかんさん
いつもは他の俳優さんやtakaとのプライベート記事も、「へえ、そうなのか〜」くらいなんですけれど、なんだかこの記事は印象的だったのですよね。
…ま、この写真のたけるさんがあまりにもかわいらしかったというのもありますが(笑)
| かけい | 2014/11/23 12:33 AM |
こんにちは。
続きを書け書けと急かしておいて、なかなか
コメントを書きに伺えず、タイミングを外した
かんじになっててすみません。
かけいさんとは逆に私は「対談」というものが
とても好きで、対談番組とか、あと対談本など
もつい手に取ってしまう方です。たぶん、会話
とか対話、とかが好きなんだと思います。異種
エネルギーの交換というかんじがして。その
エネルギーの方向性が異なっていれば異なって
いるほど面白いものが生まれる気がします。
ただ、相性もあって、てんでつまらない、一方
通行の喋りで終わることもあるとは思いますが。
この番組(SWITCH)の対談は、毎回見ているという
わけではないけれど面白いものになることが多く、
「佐藤健×木皿泉」の前の週の「バカリズム×
森山直太朗」の回も大変秀逸で、かけいさんにも
見ていただきたかったなー。
たけるさん、「なるほど」ってよく仰いますよね(笑)。
その「なるほど」も実がこもってる時と、あまり気が
入ってない時とあるように思うのですが、木皿さんに
対する「なるほど」はちゃんと実がしっかり入った
「なるほど」だったなあと。
余談ですが先日王様のブランチに窪田正孝くんと
賀来賢人くんが「10万円でお買い物」のコーナー
に出ていて、口癖としてNGワードに指定されていた
「なるほど」を窪田くんが連発していておかしかった
です。窪田くんも、たけるくんとちょっと似た面倒
くささを感じるなあと思ってたところだったので、
口癖が同じなのがちょっと嬉しかったり(笑)。
佐藤健対談本、ぜひ企画していただきたいです。
対談してほしい相手、たくさんいますし…
|
夏生 | 2014/11/23 11:34 PM |
>夏生さん
こんにちは!
いえいえ、そんな。
お好きなときに覗いて下されば。^^
対談についてですが、この記事を書いてから、そういえば『ダ・ヴィンチ』だとか『H』だとかでやってる対談はよく読んでいたなあと思い至り、私が上記で念頭においていたのがやや偏った分野の読み物についてだったことに気がつきました。
そして、それを受けての(※1)追記だったりするのでした。
(ああ、こういう注釈入れるのってとってもかっこ悪いですね。お恥ずかしい限りです。)
>エネルギーの方向性が異なっていれば異なって
>いるほど面白いものが生まれる気がします。
私も「対談」というものには、それをこそ、望みます。
それが見えるととてもおもしろいですよね。
私、「SWITCH」は10月に杏さんと和田竜さんの回を観ただけなのですけれど、そしてそのどちらかの熱烈なファンというわけではないのですけれど、それを観たとき、対談って文字ではなく映像で観た方がおもしろいのかもって思いました。
呼吸や表情や受け取る方の相槌だとか、そういった文字には書き起こされないであろう情報がすごくおもしろかった。
きっとその部分こそが「エネルギーの交換」を表現してくれているのかもしれませんね。
直太朗とバカリズム!
すげえ気になる(笑)
探してみます。^^
>その「なるほど」も実がこもってる時と、あまり気が
>入ってない時とあるように思うのですが、
たけるさん、これ顕著ですよねえ。(笑)
木皿さんに対するそれは、そこから得られるものはぜんぶ落とし込んでやろうっていう目で、とても素敵でした。
キャプションで「佐藤健、インストール中。」って出ちゃいそうな。
ああ、情報処理してるなあって目で。
興味の対象に対するたけるさんの前のめりな感じがすごく好きです。
実は私の口癖だったりも、します。。^^;@なるほど
後輩たちによくまねされておりました…。
これ、無意識のうちに、口にしちゃうんですよねえ。。。
それこそ実の入っているときとそうでないときとがあり、自分でも反省するんですけど。
たけるさんと窪田くんと同じなら、ま、いっか。(笑)
対談本。
対談相手を妄想してたら小一時間くらい楽しめそうです(笑)
| かけい | 2014/11/24 12:56 PM |