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重松 清
講談社
¥ 751
(2001-02-15)
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重松清『定年ゴジラ』(講談社、1999年)読了。
都心から電車に揺られて2時間。ニュータウン・くぬぎ台に住む山崎さんたち定年オヤジ(=定年ゴジラ)たちの「いまを生きる」。
小説現代に掲載された長編連作なのだけど、中盤は少し中だるみの感あり、といったところでしょうか。とはいえ、読んでて気持ちがいいのは、そのテンポ。ときおり顔をのぞかせる彼らの苦悩も、ホームドラマ仕立てのライトな展開の中で語られるからこそ、かえって現実味を帯びる。
蛇足にして、推測の域を出ないのだけど「くぬぎ台ツアー」に出てくる「私立R大学人文学部社会学科・宮田真理子助教授」ってこれ、宮台真司+上野千鶴子÷2だよなー。きっと。。(^^;)ちょうどふたりの対談を読んだあとだっただけにうまいなぁ(パロディーが。)と妙なところで感心してしまった。
おすすめの一篇は「ふうまん」。最後の一行には思わずひとりでにっこり微笑んでしまった。
(2002.3.7)